「彰紋君!」
「わぁ!か、花梨さん・・・ああ、びっくりしました。」
胸に手をやってフウと息をつく彰紋君はとっても可愛らしい。
「どうしたの?深刻な顔して。」
彰紋君がギクリと肩を震わせる。
「い、いえ・・・ちょっと・・・」
「私で良ければ相談に乗るよ?」
なんか彰紋君って放っておけないんだよね。
あらら・・・暗い顔になっちゃった・・・どうしたんだろう、ホントに。
「・・・花梨さんは・・・好きでもない人と付き合う事をどう思いますか?」
「ええっ?そんな人が居るの?」
「・・・はい・・・」
わ、ますます辛そう。
「相手の人は?」
「・・・承知の上です・・・」
「ええっ?そうなの?そんな人が居るんだ・・・うーん、二人がそれでいいなら良いんじゃないかな?」
「・・・そうでしょうか・・・」
「そうだよ!その人たちがいいと思ってるならいいじゃん!彰紋君が悩むことじゃないよ。」
「・・・はい・・・」
精一杯元気付けてるんだけど、どうも反応が悪いみたい。
話題を変えてみようかな?
「そういえば、彰紋君、部活は?」
「・・・今日は、テスト前なのでお休みです。」
あ、少しだけ気を取り直してくれたみたい。
「うちの学校もだよ。あーあ、やだなあ、テスト。」
彰紋君が少しだけ笑った。
「そうですね。テストも嫌ですけど、僕は順位が貼り出される時が一番嫌です。」
「何それ!厳しいねえ!」
「うちは付属なので、大学進学の際にはその順位によって入れる学部が決まってくるんですよ。」
「付属?そういえば、彰紋君って高校どこなの?」
「随心実業高校です。」
「すごい!頭いいんだ!」
「そ、そんな事ないですよ・・・」
彰紋君は頬を染めて恥ずかしそうに首をすくめた。
なんだか、ギュってして頭をナデナデしてあげたくなっちゃう。
なんか可愛いよね、彰紋君て。
一個上の男の子にこんな事思うなんて、生意気かな?




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